BEATLESS を含む長谷敏司3作品を読んでみた

SF

 今週は、長谷ウィークになってしまいました。
 BEATLESSのTV放送開始で、原作者を調べていたら日本SF大賞を受賞、星雲賞にもノミネートされている作家さんでした。これは期待できそう!と言う事で、以下の3作品を購入しました。

1.あなたのための物語(早川書房)
2.BEATLESS(KADOKAWA)
3.My Humanity(早川書房)

 各々1回読んだ感想としては、残念ながら「この作家さんは私には合わない」でした。
アイデアや着眼点、ストーリーは面白いんです。ただ、面白いだけに、周辺のアラが気になって一歩引いてしまいます。青少年なら良いのでしょうが、私の様なスレた(スレ切った?)おじさんには致命的に効いてしまいました。

あなたのための物語

あなたのための物語

 2009年「ベストSF2009」国内篇第2位の本格SF長編だそうです。サイバーパンク物はほとんど読んで無いので最初に感じたのは、「これ、話やテーマは違うけどブレインストームの発展版?」でした。
 主人公の女性科学者が死亡する所から始まる本書は、余命宣告された彼女の怒りや葛藤、生への執着と病状の悪化を通して彼女の人間性の変遷を赤裸々に描いて行きます。人工神経制御言語ITPによる、身体の制約から開放された彼女自身の仮想人格との対話は考えさせられます。
 「プロトコル」を「言語」と読ませるのは抵抗あるし、勘弁して欲しいですが。

BEATLESS

BEATLESS

 第34回(2013年)日本SF大賞ノミネート作品。人と物とのボーイ・ミーツ・ガールのセカイ系作品。セカイ系なら完全にセカイ系にして描けばよいのに、変に作者の思いを入れて語るものだから中途半端になっていて残念です。二段抜き650ページの大作でつまらない訳では無いですが、読者への悪い意味の「Analog Hack」が透けて見えてイマイチなんです。
 個人的には、アシモフの「ロボット工学の3原則」に言及したのらな、もう少しきっちりと論理展開してほしかったですし、エピローグに『彼女』を出したのはいただけませんでした。

My Humanity

My Humanity

 第35回(2014年)日本SF大賞受賞作品。書き下ろし1篇を含む初の中短編作品集です。今回の3作品の中では、本作が一番かな。私のお勧めは「地には豊穣」「父たちの時間」です。収録作品は以下の4篇。

・地には豊穣(『SFマガジン』2003年7月号)
 日本人気質を持つアメリカ人と持たない日本人の対比が面白い。ITPの初出短編。
・allo, toi, toi(『SFマガジン』2010年4月号)
 ITPが作り出す経験や感覚を使用して、小児性愛者を矯正しようとする話。
・Hollow Vision(『SFマガジン』2013年4月号)
 BEATLESS のスピンオフ作品。宇宙に浮かぶ巨大キャンディを書きたかっただけの様な...
・父たちの時間(書き下ろし)
 急速に自己増殖するナノマシンと対策に追われる家庭を顧みない父親の技術者。そこにある共通のものとは..

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Posted by null-a