漫画超進化論-石ノ森章太郎

コミック

 朽ち果てかかった島村ジョーの表紙に著者:石ノ森章太郎の名前が目を引き購入。
 本書は約30年前に出版された対談集の文庫版で巻末に関連の『風のように・・・』を追加収録されています。

漫画超進化論

 構成は、石ノ森章太郎が昭和の巨匠とも言うべき4名の漫画家-小池一夫、藤子不二雄A、さいとうたかを、手塚治虫-と対談した内容となっており、エピローグとして5人目の巨匠、石ノ森章太郎自身の対談が収録されています。

 皆さん、トキワ荘時代からののお仲間だからか、随所に本音が見えて大変面白く、当時の思いや雰囲気が手に取るように伝わって来ます。第4章の手塚治虫との対談は手塚治虫の亡くなる半年前に行われたものだそうで、貴重かつ今を予見するような内容に驚きです。

 また、全面改稿されたと言う35Pに及ぶ脚注は本書の価値をさらに高めています。漫画雑誌『漫画少年』に筒井康隆や眉村卓、小松左京も投稿していたとは今に至るまで全く知りませんでしたし、対談中に名前の上がる方々のプロフィールや解説等が内容を理解しやすくしています。

 石ノ森章太郎の代表作の一つと言われる『HOTEL』がなぜ私には面白く感じられなかったのかの理由もわかりました(まぁ、SFではないのが大きいのですが..)。

 横山光輝との対談や言及が無いのが残念でしたが、平成の最後に、そしてモンキー・パンチの訃報を聞きながら読んだ本書は、感慨深いものがあります。


著者:石ノ森章太郎、出版社:河出書房新社

コミック

Posted by null-a