やっぱり林譲治は面白いー星系出雲の兵站ー

2019年6月25日SF

 架空戦記もので有名?な林譲治氏のSF最新刊(しかもシリーズもの)。『侵略者の平和』に出会って以来、ワタシ的には、SF新刊ー即買決定の数少ない作家さんの一人なのです。

星系出雲の兵站1

 林作品の魅力は、何と言っても登場人物の魅力(何処か憎めず、変に共感してしまう)と緻密な構成や世界観、その中で繰り広げられる文明シュミレーション的なストーリー展開でしょう。この辺りは本シリーズでもいかんなく発揮されており、安心して?読むことが出来ます。
 まあ、女性の登場人物が皆さん美人で聡明、スーパーマン的なのは毎度の事で、そこが良い所でもあります。

 題名からすると非常に地味な展開に思える本シリーズですが、正体不明の異星人との局地戦や前線となった辺境星系壱岐と母星系とも言える出雲との主権争いを描きつつ読みどころ満載で、戦争における兵站の重要性を語って行きます。

星系出雲の兵站2

 19年2月現在で3巻まで刊行され、4月に4巻目が出るようです。私は纏めて読もうかと待って居たのですが、我慢できずに読み始めたら一気読みでした。続きか気になってしょうがないです。

 もっとも1巻目の最後は『謎の円盤UFO』の第一話でしたし、2巻目は素人の私がみてもいくら畑違いの司令官でもこんな無謀な作戦行わないと思える無茶振りでしたが、全体としてみれば早く続きが読みたい作品です。
 あちこち手を広げた状態なので、出雲星系での戦費捻出による経済情勢の変化等も含めてどうまとめて行くのかも興味深いです。

星系出雲の兵站3

 面白いのですが、内容以外で難を言えば、1巻を除いて「あとがき」が無い事でしょうか。私は「あとがき」って結構重要だと考えている人なので、「あとがき」の無い小説は内容如何にかかわらず評価が先ず2,3割下がります。
 シリーズ物で刊行ペースも速い為、後は最終巻に書かれるのかもしれませんが、1読者としては作者の近況とか今後の展開のヒントとか全然関係の無い宣伝とか1ページでも良いので書いて欲しいものです。

(2019/04/27 更新)
(以下は一部ネタバレを含みますのでご了承ください)

星系出雲の兵站4

 4巻目出ました!本巻は第一部の完結編という事で地上戦と艦隊戦を織り交ぜながらガイナスの謎が少しずつ判明していきます。
 シャロン紫壇ファンとしては連隊長に昇進してからは出番があまりないのではと心配していましたが、それなりにご登場されており嬉しい限りです。

 冒頭から始まる地上戦から手に汗握り、ページを捲る手が止まらなくなります。後半は高速で壱岐星系に迫りくる敵の大艦隊(戦力差約3倍)への緻密な迎撃作戦でまた、はらはらドキドキ。

 そして、ついにガイナスの前線基地の場所と母星と思しき星の場所が判明します。対話での戦争終結を模索していますが、相手からの応答はなく難航していますし、ガイナスとは何者で何を目指しているのは相変わらず不明のままです。

 あまり時間を置かずに第2部が刊行されることを期待したいですし、シャロンさんの活躍やクーリエ、八重、ブレンダさんの奥方3人衆(一人は未亡人ですが)の活躍も期待します。

 今回は、あとがきもあり楽しませて頂きました(まぁ、4巻目にして「はじめまして」は無いような気はしますが)。

(2019/06/25)
 期待の第二部は『星系出雲の兵站-遠征- 1』 (ハヤカワ文庫JA) で 2019/8/20 刊行のようです。


著者:林譲治、出版社:早川書房、シリーズ名:星系出雲の兵站

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Posted by null-a